本日は青森市内から陸奥湾に沿うようにして北へ向かいます。野辺地の辺りからは左手に海を見ながらの道を走ります。海と空がとても綺麗です。
ひまわりの咲いていた道の駅よこはまで休憩し、さらに北上、海に面した展望台からは海の向こうに恐山のある釜臥山が見えます。今日は風がとても強い。
むつ市内で昼食のパンを買い、尻屋崎を目指します。最涯の地の碑が立つ尻屋崎では、寒立馬がバリッバリッと音を立てて草を食べていました。尻屋崎灯台はまさに白亜の灯台でした。青空と灯台の白と草の緑がとても爽やかな、初秋を感じさせます。
尻屋崎からむつ市・恐山へ向かう途中、にわかに豪雨に遭いました。しかしそれもほんのわずかな出来事で、雨がやんだと思う頃には太陽が照り付けていました。
むつ市を過ぎて山道に入ります。冷や水は記憶していたよりもずっと冷たく、10秒も触れていられないほどでした。前回とは違ってここは何となく明るい雰囲気になっているような気がしました。
そして道が下り坂になり、硫黄のにおいがしてきたなと思うと、宇曽利山湖が見えてきました。日はだいぶ西に傾いてきていました。
恐山菩提寺の境内に入り、今日は宿坊へ泊まるということで、先に御朱印をいただき、部屋へ案内してもらいました。宿坊はまだ新しくホテルのようで、部屋は広々としていました。部屋の中でも硫黄のにおいがしていました。荷物を置いてさっそくお参りへ。
山門をくぐり地蔵殿でお参り。今夕は燈篭流しがあるそうで、中ではお経が読まれたりしていました。地蔵殿の左側から地獄へと歩みを進めます。日がだいぶ傾いているので少し足早に地獄を抜けて賽の河原へ。この辺りからは奥の院が見え、以前も見えたのか記憶の糸を手繰り寄せてみましたが、こんなに広々と開けた風景は、やはり初めて見る景色のようでした。
薄暗くなる宇曽利山湖はとても静かで、そして穏やかな明るい雰囲気でした。暗くなる前にと硫黄のにおいを感じながら再び地獄へと歩いていると、先ほどから何となく見えていた、奥の院のある方角(東の方)の山の上に、ブロッケンのような虹が見えていました。どういう現象なのか分かりませんが、ここは恐山なので、西の阿弥陀様か、東のお薬師様か、そういうことにしておいてもいいなと思います。
夕方には宿坊で精進料理の夕飯。お坊さんに合わせて五観の偈を口にし食事。恐山と書かれたお箸でいただきます。
食事の後少しして境内にある温泉へ。外灯の光だけが明るい境内に、質素な作りの小屋がいくつかあり、静かな空間で、一人静かに湯船に浸かっていました。そして境内を歩いているときに見た夜空の星々の美しいこと。
最後には建物内の大浴場へ入り部屋に帰りました。部屋の隅に置かれた仏教聖典と、恐山院代の南和尚の本のページを繰りながら、なかなか寝付けないまま、硫黄のにおいを感じながら、昨日、今日、そしてこれまでのいろいろな事を思い出していました。