エベレスト街道を歩く

ルクラ~パクディン

行程(ルクラ~パクディン)

ルクラの町から 

 空港のすぐ隣からルクラの町がはじまる。町といっても、道の両側に土産物屋や宿泊施設が並んでいる程度のこじんまりとしたものだ。<br> けれどもここからエベレスト街道が始まり、エベレストをはじめとしたヒマラヤの山々の頂きを目指す多くの人達が、ここを起点としてそれぞれの山へと向かっていく。とても大切な場所だ。 

ルクラの町にて

トレッキング中の食事 

 まずはここで昼食をとる。ガイドさんによると、これからトレッキングをはじめると体に負担がかかり、また標高を上げていくので高山病にかかるリスクがあり、肉を食べるのはやめた方がいいとのこと。また同じ理由で、アルコールは飲まないのでいいが、コーヒーもしばらくおあずけだ。<br> メニューを見ながら春巻きと焼きそばを選ぶ。写真は2人前だが、そこそこの量がある。今回のトレッキングでとった食事はどれも野菜が多く、そしてほとんど辛くはなく、日本人の口にもよく合う。辛いものやカレーばかりが出るのかと想像していたが、決してそんなことはなかった。全体的にあっさりとしているので逆に物足りないと感じる人はいるかもしれない。<br> 飲み物は紅茶。イギリスの保護国であったからなのかどうか、紅茶がよく飲まれているようだ。トレッキング中によく飲んだのはジンジャーティーとブラックティー。ジンジャーティーは生姜のかたまりをつぶして入れた正真正銘の生姜のお茶だ。これに砂糖などを入れて飲むのは日本と変わらない。 

 また、念のためにと食事の後に胃腸薬を飲んでいたが、そのおかげもあってか、旅行中にお腹を壊すことがなかったのが幸いだった。

春巻きと焼きそば

エベレスト街道

 食事も終わり出発の準備をする。トレッキング中に持つ荷物は、水筒やすぐ使うもの、そして貴重品などだけで、その他の着替えや身の回りのものはポーターに持ってもらう。準備万端、今日の宿であるパクディンに向けて出発。

 歩き始めるとすぐに荷物を背負ったゾッキョが歩いていた。天気はあまりよくなく、空はどんよりとしている。建物の間を少し歩いただけで町の端に着き、門をくぐって木々に覆われた道を下っていく。 

ルクラの町にて(ゾッキョ)

 パクディンまで標高差230mを下っていく。道自体は地元の人達の生活道でもあるので、舗装こそされていないものの、特に危険なところなどはない。あるとすれば滑りやすいくらいだろうか。トレッキング用の靴が歩きやすいと聞いていて履いていたが、ナムチェまでのトレッキングならスニーカー程度でも十分かもしれない。実際にガイドさんなどはスニーカーだった。 

山村の風景

 突然前から現れたのは背中の両側に大きなバッグを乗せたゾッキョの列。登山者の荷物などを運んでいる。道はそれほど広いわけではないので、山側に避けやり過ごす。牛飼いならぬゾッキョ飼い(?)が必ず付いているし、人に悪さをするわけではないが、当たると危険なので、トレッキング中にはこれを何度も繰り返す。 

ゾッキョ
街道沿いの風景
街道沿いの風景

チベット仏教

 街道にはたまにお経の刻まれた岩がある。ずいぶんと大きなものもある。そして岩を避けて歩く時は必ず左を通る。これは左側通行ということではなく、仏教の教えに従って時計回りをとる。今回のガイドさんは地元の人で、見逃してしまいそうなところも丁寧に左側を通っていくので、それに着いて歩いていく。 <br> いろいろな所に大きなマニ車が置かれているが、ここでも左側を歩きながら、取っ手を握りごろごろと回していく。大きなものは意外と重く、体重をかけて回す。マニ車も回す方向は時計回り。時計回りに歩くと回す方向も必ず時計回りになるが、手持ちできる、でんでん太鼓のような小さなマニ車は方向を間違えやすい。<br>  ネパールというとヒンズー教というイメージがあるが、山岳地帯のこのあたりはチベット仏教で、その教えにのっとっているものが多い。お寺もチベット仏教のものだ。風の通り道にはルンタと呼ばれる5色の旗がたなびいている。これにはお経と馬の絵が描かれていて、魔除けと人々の願いを届けてくれるものだそうだ。

石に刻まれたお経とマニ車そしてルンタ
マニ車
街道沿いの風景
街道沿いの風景
街道沿いの風景
マニ車
マニ車
マニ車
マニ車
お経の書かれた大きな岩
小屋の中のマニ車
塔と小さなマニ車
小さな塔

 ゆっくりと歩き、パクディンに到着した。あたりは薄暗くなってきていた。

パクディンに到着

トレッキング中のトイレ事情 

 ここでトレッキング中のトイレ事情を少し。<br> トレッキング中のトイレがどんな感じなのか、現地に行くまでけっこう気になっていたが、あまり詳しく解説しているものは見つけられなかった。実際は、道端で用を足すなどということはなく、道々にあるロッジなどのトイレを借りることになり、今回立ち寄ったほとんどの場所では、洋式の便座が置かれ、いちおう水洗になっていた。ただ水流は弱く、紙などを流すこともできないが、日本の和式トイレのようなネパール式のトイレに入ることはなかった(1ヶ所だけとても野性味あふれる場所はあったが)。

 しかしながら、今回行かなかったナムチェより先や山の麓の方では、トイレ事情はもっと変わるのかもしれない。